「なぜなぜ分析」を聞いたことがあるでしょうか。
なぜなぜ分析はなぜを5回繰り返すことから「なぜなぜ5回」「5Whys」などと訳されます。
物事を深堀して考える際に役に立つ分析手法の1つです。物事の本質を見ようとするという意味ではクリティカルシンキングと似ているでしょう。
http://quality-of-life.jp/critical/
下記、Wikipeddiaより引用しますがなぜなぜ分析のざっくりとした意味です。
なぜなぜ分析(なぜなぜぶんせき)とは、ある問題とその問題に対する対策に関して、その問題を引き起こした要因(『なぜ』)を提示し、さらにその要因を引き起こした要因(『なぜ』)を提示することを繰り返すことにより、その問題への対策の効果を検証する手段
今回はなぜなぜ分析の起源と正しい方法とについて記載していきます。
Contents
なぜなぜ分析はトヨタ自動車が発端
トヨタ自動車の元副社長、大野耐一さんが1978年に出した本「トヨタ生産方式」になぜなぜ分析が出てきます。なぜなぜ分析の起源を詳しく知りたい方は一度読んでみても良いでしょう。
5回の「なぜ」を自問自答することによって、ものごとの因果関係とか、その裏にひそむ本当の原因を突き止めることができる
引用:トヨタ生産方式
本質的な課題解決を行うには頭にふと浮かんだ課題を解消するのでは難しく、なぜなぜ分析によりイシューの質、つまり課題の質を高めたうえで解決にあたることが大切なのです。
なぜなぜ分析は何のためにやるか
なぜなぜ分析とは問題の因果関係をWhy「なぜ」によって深堀していき、根本的な原因を把握するために行います。事実に対して「なぜ起きたのか?」「なぜそうなったのか?」という問を繰り返していき、根本的原因にたどり着けるのです。
なぜなぜ分析を使用するケースは「起こってほしくないことが起きたとき」が主です。
「サービスクオリティを損なう重大なインシデントが起きたとき」
「二度と発生してほしくないエラーが起きたとき」
などで使用されます。
なぜなぜ分析によって根本的な原因を把握し、ロジカルシンキングによって改善方法や対策方法を組み上げていきます。
なぜなぜ分析のやり方と方法
それでは現場でなぜなぜ分析をどのように活用すれば良いか、方法とやり方を紹介していきます!学習したものをアウトプットできなければ意味がないので、自分の業務内容の中で今すぐに使用できそうな部分がないかどうか考えながら読んでみてください!
分析対象の課題を明確にする
上記でも記載していますがなぜなぜ分析は根本的な課題を突き止める方法ですので、まずは課題の明確化が必要となります。
具体的には「起きた事象の何が良くないか」について明確に記載してください。
「いつどこで何が発生したことについてのなぜなぜ分析」
といったようになぜなぜ分析の対象を明確に記載しましょう。
上記に加えて人の名前や職種、部門名などの固有名詞を入れるとより具体的になるでしょう。
妥当な「なぜ」を繰り返す
なぜなぜ分析の対象が明確になってからが本番です。最初のWhy、なぜは「良くない事象がなぜ起きたか」です。
「なぜ」を繰り返していく中で注意してほしいのがWhyという質問に対して答えが論理的に繋がっているか、という点です。分析をしていく中で多くの要因が絡んでくるため因果関係を整理しながら分析を進めていきましょう。
原因と結果の関係を勘違いしたまま「なぜなぜ分析」を進めていくと、本来到達するべき根本的な現認ではなく、的外れな結論を導き出してしまい、それに従って実施する解決策もずれてきてしまいます。
根本的な原因に対して改善策を決める
なぜなぜ分析により根本的な原因特定が上手くいった場合は、その根本原因に対して適切な施策を進めましょう。
実行可能な方法を立案し、しっかりとチームメンバーのみんなが具体的な行動を起こせるようにサポートしていく必要があります。
「言うは易く行うは難し」と言いますが実行するというのは思っている以上に難しいことです。自分1人であればそれほど難しくないですが、組織においては関係者がたくさんいるため、その関係者全員を動かしていく必要が出てきます。
なぜなぜ分析で分析するだけでは意味はなく、しっかりと「具体的施策の実行」まで責任をもって進めていきましょう!
なぜなぜ分析をやってみよう!
上記でなぜなぜ分析の起源ややり方について記載してきました。なぜなぜ分析の目的は「良くない事象」が起きたときにその根本的な原因を突き止め、「施策を実行して解決する」ための分析です。
良くない事象が起きたときには、背景にいくつもの考えられうる要因があるため真の原因を見つけ出すことは容易ではありません。
1つの要因にも複数の要因が繋がっているので「論理的なつながり」を意識するロジカルシンキングにより論理を構築していく必要があります。
まずは問題が起きたときに「なぜ?」と問う癖をつけましょう!