マインドフルネスとは?坐禅・瞑想との違いも解説
流行りに乗る方も流行りに流されない方も、
「マインドフルネス」という言葉を
一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
なんとなく坐禅が元になっていることや、仏教が元になっていることは知っていても、マインドフルネス瞑想との違いは何と聞かれたり、じゃあ説明してくださいと言われると難しい。
また最近、禅・ヨガ・ピラティス・瞑想など似たようなテイストの言葉が増えてきて、余計にややこしい。
今あなたも含め日本人の90%程度はそんな認識かと思います。
マインドフルネスとは一言で表すと「今現在の体験に集中している精神状態」です。
現在に集中していると行ってもピンとこないかと思います。
さらに瞑想や禅も同じようなことじゃないのかという疑念も拭えません。
マインドフルネスという言葉自体は仏教の経典で使われている古代インドの言語の「サティ(sati)の訳語で、「心をとどめておくこと」あるいは「気づき」などと訳されます。
そこで本記事ではマインドフルネスが流行している背景、また他の言葉との違いについて解説します。
流行りを見せるマインドフルネス
瞑想やヨガなどの中でも特に近年世界的流行を見せているマインドフルネス。
今やGoogleをはじめFacebookやIntel、マッキンゼーといった一流企業の研修でも取り入れられています。
なぜこんなにも流行りを見せているのでしょうか。
マインドフルネスが世界中に普及するきっかけとなったのは、マサチューセッツ大学医学校名誉教授のジョン・カバットジン(Jon Kabat-Zinn)博士が「マインドフルネス瞑想」を医療分野に最初に取り入れ、慢性の痛みとの共存を目的としたプログラム「マインドフルネスストレス低減法」を開発したことです。
また近年の流行をたどるとApple.inc創業者の故スティーブ・ジョブズの影響も大きいかと思います。
彼はインドに渡り、本格的な禅/瞑想を学びました。
iPhoneなどのデザインには禅/瞑想の思想が反映されていると言われています。
自伝でも禅がジョブズに与えた影響を語っており、ジョブズとも関わりのあった禅僧がアメリカで出版した書籍は爆発的にヒットしました。
禅やマインドフルネス瞑想について丁寧に書かれているためタイトルの通りビギナーの方におすすめです。
以下のGoogle検索数の推移からも読み取れるように全世界的に、
年々注目度が高まっています。
↑過去10年間全世界での「マインドフルネス」検索ボリュームの推移
禅の思想からアメリカで生まれ、
日本にも逆輸入されているのがマインドフルネスという概念です。
その健康効果や、情報過多な社会背景から
多種多様な人々に受け入れられるようになりました。
次章からマインドフルネスも含めた
各概念のまとめとそれぞれの違いについて見ていきたいと思います。
各用語の定義
マインドフルネスを含めた以下の概念に共通していることは、
仏教の教えから来ているという点です。
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マインドフルネス
今現在の経験に集中を向けている精神状態。
瞑想を用いた行為のことを指す場合もある。
アメリカにおいて開発された概念で、
宗教的な意味を排している点でも他との違いが見られる。
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ヨガ
古代インド発祥の修行法。
ヒンドゥー教や仏教などでなされていた修行法で、
輪廻からの解脱を目的としています。
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瞑想
心を静めてなにかに集中すること。無心になること。
禅やマインドフルネスの手法として用いられます。
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禅(坐禅)
坐禅すること。
ヨガが中国、日本に渡り坐禅となったと言われている。
仏性の存在を前提とする坐禅のことを指す。
修行としては坐禅の状態で瞑想を行う。
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ピラティス
リハビリテーションを目的としたエクササイズ。
1920年代にドイツの従軍看護師だったジョセフ・ピラティスが考案し、
第一次世界大戦の負傷兵のリハビリテーションとして実施された。
内面的なアプローチでないところが上記他の概念と一線を画しているところです。
それぞれに発祥と目的に違いがあることがわかりますね。
概念としても精神状態やエクササイズのことを指していたりと
似て非なる言葉が混同されているのが現実です。
坐禅・瞑想との違い
今回は最近流行りのマインドフルネスを中心に、
瞑想や坐禅など曖昧な用語の整理をしてみました。
成り立ちや目的が異なるということを知っていただけたら嬉しいです。
中でも坐禅をルーツとするマインドフルネスは、
両者の違いが見えづらいかと思います。
この両者の最大の違いは、
仏性の存在を前提とした行為か否かという点だと考えています。
マインドフルネスでは宗教的な色を消したことも、
多種多様な人種がいるアメリカで流行した大きな要因になっています。
また瞑想との違いは行為を指すか、
状態を指すかという違いになります。
そのため「マインドフルネス瞑想」という用語が成り立ちます。
この場合「今現在の経験に集中を向けている精神状態をつくるために心を静めてなにかに集中すること」となります。
少し長たらしいですがイメージは掴んでいただけたでしょうか。
紹介した中で気に入ったものがあれば始めてみましょう。
アプリなどを用いて瞑想を手軽に始める方法についてまとめてみたので、
興味のある方はチェックしてみてください。